考えている間にも雨は二人を濡らしていく。
海は咄嗟に遥の腕を片手でつかむと、自分の肩に彼の腕をまわした。
「、海?」
「つかまって。」
「っ、うん。」
戸惑いながらも遥は海につかまると、ゆっくりと歩いていく。
近くにあった大きな木の下に座り込むと、雨を凌いだ。
木に寄り掛かり、座り込む。
「海、大丈夫か?」
何処も怪我してない?と再確認すると海は笑顔で頷く。
あの高さの崖から落ちて奇跡的に助かっていることに驚きだ。
「ハァー、連絡しようにも携帯置いてきたし、お前携帯持ってる?」
「持ってない・・・部屋に置きっぱなしだよ。」
「だよなあ。」
ま、理子が顧問に知らせてくれるだろうと思い焦りはしなかった。
「しばらく待ってれば探しに来てくれるだろ。むやみに動き回って迷子に
なるわけにはいかないし。」
「だ、大丈夫だよね?」
「大丈夫だって。」
よかった、とほっと息をつく海を見てるとこんな状況になったというのに
不安や恐怖は一切湧かなかった。
ザアアア、
雨の音が心地良いとまで考えるようになった頃、遥ははっと思い出したように海を見る。
「そういえばお前、なんで落ちるとき手伸ばさなかったんだよ!」
「え、手?」
「海が伸ばせば、届いたのに。」
海は困ったように表情を歪め、ぽつりとつぶやいた。
「一瞬だけ、死にたいって思ったんだもん。」
「は?」
「このまま死ねたら、中学の時みたいなイジメを受けなくてすむし
遥だって、理子ちゃんと幸せになれる・・・し、」
「それ、本気かよ」
「ううんっ、私、落ちてるときにすごく怖くなって、
死にたくないって思って、遥に言いたいことたくさんあったのにまだ死ねないって
思った。」
海は咄嗟に遥の腕を片手でつかむと、自分の肩に彼の腕をまわした。
「、海?」
「つかまって。」
「っ、うん。」
戸惑いながらも遥は海につかまると、ゆっくりと歩いていく。
近くにあった大きな木の下に座り込むと、雨を凌いだ。
木に寄り掛かり、座り込む。
「海、大丈夫か?」
何処も怪我してない?と再確認すると海は笑顔で頷く。
あの高さの崖から落ちて奇跡的に助かっていることに驚きだ。
「ハァー、連絡しようにも携帯置いてきたし、お前携帯持ってる?」
「持ってない・・・部屋に置きっぱなしだよ。」
「だよなあ。」
ま、理子が顧問に知らせてくれるだろうと思い焦りはしなかった。
「しばらく待ってれば探しに来てくれるだろ。むやみに動き回って迷子に
なるわけにはいかないし。」
「だ、大丈夫だよね?」
「大丈夫だって。」
よかった、とほっと息をつく海を見てるとこんな状況になったというのに
不安や恐怖は一切湧かなかった。
ザアアア、
雨の音が心地良いとまで考えるようになった頃、遥ははっと思い出したように海を見る。
「そういえばお前、なんで落ちるとき手伸ばさなかったんだよ!」
「え、手?」
「海が伸ばせば、届いたのに。」
海は困ったように表情を歪め、ぽつりとつぶやいた。
「一瞬だけ、死にたいって思ったんだもん。」
「は?」
「このまま死ねたら、中学の時みたいなイジメを受けなくてすむし
遥だって、理子ちゃんと幸せになれる・・・し、」
「それ、本気かよ」
「ううんっ、私、落ちてるときにすごく怖くなって、
死にたくないって思って、遥に言いたいことたくさんあったのにまだ死ねないって
思った。」


