モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語


「ってことは、事故?」

海は遥から離れ、ぽかんとしたような表情で彼を見た。

「当たり前だろ。」

「・・・・。」

海の心の中にあったモヤモヤがすぅと消えていく。

頬を染めて真相を話してくれた遥を見て、

ドキドキしてきた。

彼が誰かと仲良くしているのを見ているとイライラして、

気づいたら遥の事を考えている。


「俺は、」

じっと、遥は海を見た。

見られている、それだけで無意識に海の顔が赤く染まっていく。

「っえ、」

自分でも驚いた。

「な、何これ。」

ドキドキドキ、

心臓が煩い。

「海?」

顔を真っ赤にして自分から視線をそらす海を見て、遥は目を見開いた。

もしかして、海も自分と同じ気持ちなのかもしれない。

いや、そんなことはあってはならないが彼女の反応を見ると

そう思わずにはいられなかった。


「海、顔真っ赤。」

「~っ!///わ、私、ど、どうしたん、だろ。」

両手で顔を覆い隠す彼女の腕を掴む。

「は、はるかぁ。」

自分でも気づかない気持ちが、大きく膨らんでいく。

不安になり、彼の名前を呼べば遥はバレないように頬を緩ませた。


「お前、俺のこと好きだろ。」

「ぅえ!?」


遥の言葉が、自分の中にストンと落ちて

綺麗におさまった。