「あー、一時間目からダルいなー」
「体育だしね。」
「ま、女子と合同でバレーだからいいけど!」
「健二は単純だな。」
自然と、遥、冬樹、健二の3人で体育館に向かっていると
女子の更衣室から大声が聞こえて足を止めた。
「テメェ、冬樹君までに手ぇだしてんじゃねーよ!」
「こ、怖ぇ~」
それを聞いた健二がほっといて行こうぜ、と二人に声をかける。
遥は内心焦っていた。
またイジメられてるのか。
きっと海に違いない。
キーンコーンカーンコーン、
一限目が始まるチャイムが鳴る。
「あ、やべ!早くいこーぜ!」
「そうだね、時間がないし。」
「え?」
遥はてっきり更衣室で罵声をあげている女子を止めにいくのかと思っていた。
しかし冬樹は授業を優先した。
無理もない、女子更衣室にいくらイケメンでも男が入れば悲鳴をあげられるだろう。
今回は場所が悪かった。
「遥?」
「え、ああ、今行く。」
冬樹に呼ばれ、遥も体育館へと急いだ。