(彰SIDE)


別れを告げられて3日。

学年の違った俺と紫音は、休み時間に会うことも無ければ、移動教室で擦れ違うこともなかった。


別に、それに悲しさや辛さを感じることはない。

そういう日は一週間のうちに何度もあったし、気に病むことでもない。





ただ、酸素が足りない魚みたいな、
理解も差ほど出来てないのに、
必要性だけが分かったような、そんな気分。




「おーす。」

「んー、おす」

「なんだよ、元気ねえじゃん」

「そう?」

「つか、お前の周りに女が人っ子一人いない時点で大分おかしい。」




挨拶がてら失礼な言葉を吐いたのは、
高1からクラスがずっと一緒(なんでだ)の相沢 海(アイザワ カイ)だ。


「今日は頭検捕まらなかったわけ?」

「おう、裏門から入ってきた。」

「ああ、なるほど」


頭検、所謂『頭髪検査』。
海のトレードマークにもなりつつある銀髪。



120パーセントで校則違反をぶっちぎってるが、何故か海は脱色を止めない。



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