人通りが少ないところを選びながら、下を向いて全力疾走。



ドンッ
「‥っ!?」「うわ‥っ!」

当然のことながら、前を見ずに走っていたら人とぶつかった。


「ご、ごめんなさ‥、‥っ」


即座に立ち上がり、勢いよく頭を下げて、上げる。


ただ視線を上げた先には、予想外の人。




「いや、こっちこそご、め‥‥し、おん?」



見上げた先には、



「‥‥あき、ら」



涙の原因である、彰。




周りには誰も居ない。


2人だけが居て、黙って見つめ合って、
互いに傷付いた顔を晒し合って。



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