気付いたら、悪魔の腕の中。




 「おかえり、タマ」


 「…!」



 う、そ。
 そこにはゆうちゃんがいた。あたしよりも先にお姉ちゃんの部屋に来ているなんて思わなかった…。

 どんな顔したらいいの?





 「…結城とうまくやれよ。雫も、お前の幸せ願ってんだから」



 グサッと胸に何かが突き刺さる。



 「な、なんで…ゆうちゃんがそんなこと言うの?」


 気付けばそんなことを口走っていた。何年振りかな、ゆうちゃんに口答えしたのは。