――ピンポーン



「はぁい! 」



玄関から出てきたのは、トモカの妹の、スズハだった。


スズハは、小柄で髪の短い可愛らしい子だ。



「こんにちは」

「ナズナさん!
こんにちは!
あっ!どうぞ。
お姉ちゃんなら、2階の自室に居ます」



「分かった! ありがと」



トモカの家に、何回も来ているあたしは、家族ぐるみの付き合いをしている。
もちろん、スズハとも仲良しだった。



トモカの家の中を熟知しているあたしは、すんなりトモカの部屋に行った。




「ちぃ~っす! 」


「あっ! ナズナ!
意外と早かったじゃない? 」



「おう!
バイトが、少し早めに終わったんだ! 」

「そっか。毎日、ご苦労様! 」



「もうバイトは、慣れたよ。
それにしても、相変わらずピンク一色だなぁ~」



トモカの部屋は、カーテンから、テーブルまで、すべてピンクで、うさぎのぬいぐるみが、たくさん置いてある。
目がチカチカして落ち着かない。


「まあね、かわいいでしょ?
あたし含め全部」



トモカが笑っている。あたしは呆れて、言葉が出ない。


「トモカ以外はかわいいんじゃねー?
まぁトモカは黒のがお似合い……腹黒いか「なんか言ったかしらぁ? ナズナ」


トモカは、笑っているが目が怖い。