県大会も終わり一段落ついた、8月29日。



今日、あたしは、約束していた王子のバスケの御礼で、出掛けることになっている。






「ナズちゃん」

あたしは、待ち合わせの公園のベンチに座っていた。


「ちーっす」

「今日は早いね!」

王子が、微笑む。


「あたしだって、たまには時間通りに来るさ」

だって、今日は待ちに待った、お菓子の城に行けるんだから!

「それで、今日はどこに行くの?」

「着いてからのお楽しみ! 」

まだ王子には言わない。


歩いて駅まで着いたあたし達は、電車の切符を買いホームへ向かった。
どこに行くのか、分からない王子は、あたしに着いて来た。