「…声が聞こえたのだ。」


「声…?」



「突然
頭の中に声が聞こえたのだ…。

『もう嫌だ

誰にも必要とされてない

生きている意味さえわからない』


泣きながら
断崖絶壁でお前が飛び降りる光景が見えた。」


ブレイクは
そっと雪乃の頬に触れる


雪乃はビクッと体を震わせた


私の…声…

ブレイクが見たのは
あの日…

ここに来る直前の
自殺した時の映像…


「じゃあ…
ブレイクが私をこの世界に呼んだの?」



「違う…。
俺にはそんな力は無い。

ただ…。」




「ただ…?」



そこで
ブレイクの言葉は途切れてしまった


「ブレイク…?」


不思議に思った雪乃は
ブレイクを覗き込む


その瞬間
一気に世界は反転し


気が付けば
ブレイクに組み敷かれていた