「…雪乃を…渡そう。」


雪乃はゆっくりと前に踏み出てブレイクの足下に跪いた



「結局は優等生らしい選択か…。

まぁ、いい。」



ブレイクはカヴァリをクリスの前に放り投げる


青年1人が軽々と弧を描いて中を飛び


側近たちがそれを受け止めた



そして
ブレイクはユキノを片腕で抱き上げる


「クリス…そんなに心配するな。

お前の寵妃は
俺がたっぷり
可愛がってやろう。」



勝ち誇ったように言い残し
漆黒の翼を広げ
ブレイクが飛び立った



「くっ…!」


ガンッ!!


クリスはその姿に耐えきれずバルコニーの大理石の床を怒りに任せて殴り付ける


鈍く響いた痛みを無視してすぐに

ケシャとカヴァリに向き直った