その無言言葉に糞運転手はヘラヘラ笑い、去って行った。


そいつが出て行ったドアを睨んでると、、ハヤトがあたしの傍に座り、袋を差し出す。



………なんでしょうか?


その行為の意味が分からず、思わずそう言いそうになった、けど出て来なかった。


「………吐くんじゃねぇのかよ」


面倒臭そうにあたしを見るハヤトは、“早くしろ”ってオーラーをしてて、あたしは受け取った。


と同時に吐き気に襲われ、吐いた。




でもハヤトは“くせぇ”だの“汚ねぇ”だの言わず、ぎこちなくあたしの背中を撫でてくれてた。



そんな不器用な手に笑えて、漏れそうになった笑みを隠す為に口元を押さえると、


「……我慢すんな。全部出せ」


それを“気持ち悪がってる”と受け取ったのか、心配してくれた。


そんなハヤトに申し訳なくなり、笑いも消え失せた。