奴の剣に滴るあたしの血。
それを舌で舐めとる。



「・・・お前の血は美味いな」


気味が悪い。
気味が悪い。
気味が悪い。
気味が悪い。
気味が悪い。



悪寒が走る。






それを振り払うように、風を纏い強く蹴った。




吹き荒れる風に身を任せるように走れば、今までよりも速くなる。
奴に向かって一直線に剣をつく。


実態をつかみ、手ごたえを感じた。
そう思ったのに、スルスルと剣の間を抜け、闇に帰っていく。



「!!!」

「よう、騙されるな。」


振り下ろされる剣を片手で受け止め、もう片方の剣を振り抜く。
あと数センチのトコロでかわされる。





「斬」


聞こえた声に反応して前から来た攻撃をよければ、


「・・・っ!!!」


後ろから襲ってくる斬撃に腕をやられた。
血が、流れ出す。




それを見て、


「・・・おしいなぁ。それこそ喰わねばならんのに。」


人間、とは思えない言葉を吐く。
そもそも、闇を纏う時点で人間とは言えないのだけれど。




「・・・光千百華!!桜吹雪!!金銀海波!!」


3つの攻撃魔法を同時に奴にぶつける。
白い煙があたしの視界を奪う。