「ジェル!!」 バシャバシャと水が跳ねて声をかき消す。 でも、微かに微かに聞こえる声を頼りに走る。 ふと、光が見えて・・・ 見ると・・・ 「ジェル!!」 彼女が、いた。 「の・・・ぁ・・・」 衰弱してる。 彼女をひと目見てそう思った。 「この・・・子を・・・」 ___お願い 彼女の腕の中にいる子供を俺に差し出して、気を失った。 「!!!ジェル!!!」 「っく・・・・」 彼女と子供を抱えて走り出した。 闇と雨の匂いが俺を誘う。 光が見えないくらい。