私のことを「わかりやすい」と言ったのは、零慈くんに続いて、お兄ちゃんと佳織瑠さんだけ。
その3人だけだ。
「ぁ、えっと…」
「それで?藍麗に用があったんでしょう?」
そう。
あの動悸の理由を
顔が紅潮する意味を知りたかったんだ。
「あたしでもいいなら聞くわよ。藍麗、今日は遅くなるし。」
「……え。」
どうぞ とドアを開けられ、一瞬迷う。
……でも。
(こんなにニコニコされては。)
断れない。
付き人や執事は、このような自己主張をしてくるものなのか?
……一番困る。
しかし結局は、微笑みに圧されてお兄ちゃんの部屋に入ったのだった。
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