「席着けー」 入って来た教師のせいで俺の言葉は遮られた。 ――授業が終わり、放課後に。 最近流行りのトミーのカバンを持って、菜々がこっちに歩いて来た。 「雄輝、ごめん。あたし買い物行くから先帰ってくれへん?」 「おー」 買い物って…バレンタインの!? 嘘やろ。兄貴にあげるのに? 明日が嫌や~… 「雄輝!落ち込むな♪」 「はあ?」 「自信持て、ボケ」 軽く微笑んで、新は廊下を走って行った。 なんや…アイツ。