「てかさー、常葉は誰かにバレンタイン本命あげるんか?」 そう言ったのは、俺の親友の 新 アラタ 常葉に気がある。 「あげへんけど…、なんで?」 「ほな、俺にくれやー」 「あんた毎年、いっぱいもろてるやん」 「いっぱいちゃうわーオカンと妹と姉貴と……」 「まあ…、えぇよ」 ほんのりと常葉の頬が赤く染まる。 こら、くっつくのも早いな。 「常葉、顔赤いで」 笑いを必死で堪えた様子の菜々が言った。 「ストーブで温まったんや!!」