「恐いんだ……俺はもう、一人になりたくない!!」

 俺は上に乗っている優美を抱きしめながら泣いた。
 何時からだろう……?
 失ったモノを取り戻して、新しいモノを手に入れて……
 俺の周りは嘘みたいに心地よくなって……
 毎日が楽しくて……
 絶対に離れないと言ってくれた人が居て……
 俺はすごく嬉しくて、永遠にこのままが良いと願うようになっていた。

 でも……同時に……怖くなった。
 だって、俺は知っている。嫌と言うほど感じて来た。
 周りから誰も居なくなってしまう悲しさも……
 たった一人でいる寂しさも、俺は知っている。
 俺は……もう二度と、一人は嫌だと思うようになった。
 そして、探していた。絶対に一人にならない方法を……
 絶対に、一緒に居てくれる人を……
 
「……雫は……一人になりたくないから、わたしと居るの?」

 優美が俺に聞いた言葉は俺の心を切り裂くほどに、痛々しいものだった。
 
「……解かんない……俺……解かんないんだよっ……俺は……」

「もう、いいよ……」