ユメみる夢みる僕のキセキ

「お前に解かんのかよ、……一人っきりの孤独の辛さが」

 解かる訳がない。
 何をしても無駄だと解かりきっている絶望。
 誰も居ない、部屋で一人で起きて、一人でご飯を食べる辛さが。

「だから、優美に執着するの? ずっと、一緒に居てくれるから? ……あの子が、どんなに辛くても、いいんだね」

「そ、そんな事ない!! 優美は……辛くなんて……」

 優美はいつも笑っている。
 いつも側で嬉しそうに居る。
 そんな優美が辛いなんて……
 あるはず無い。

「……帰るわ。アンタが本当に優美を大切に思ってるならプレゼントを渡して。そうじゃないなら、ゴミ箱にでも捨てて」

 文歌は背を向いたまま歩き出した。

「ま、待てよ」

「雫。人はね現在を生きるしかないの。どんなに願っても過去は変えられないのよ」

「……知ってるよ」

 過去を変えられるのなら、とうの昔にやってるさ。

「そう。じゃあ、優美を何にも知らないアンタに一つだけ教えてあげる」

 文歌はそのままの体勢で顔だけ振り向いた。

「優美は……アンタが思い出を無くしている事、気付いてるわよ。それで、アンタが思い出を偽っている事もね」

「え……う、嘘だ!!」

 気付いてる?
 知っている?
 優美は俺が思い出を持っていない事を?

「そんな訳、無い!! だって、優美は今日だって普通に笑って……」

 普通に笑って?
 今日が自分の誕生日なのに?
 どうして……普通でいられるんだ?
 どうして……言ってくれなかったんだよ……