「……で、アンタはどうなのよ?」

「は?」

「は? じゃないわよ。一緒にいようって言っちゃうくらいですもの……正直に優美をどう思ってるのか言いなさい」

 散々、優美をいじり回した文歌は、今度は俺に向け、優美の事を聞いて来た。

「ど、ど、どうって、雫は幼なじみ。わたしの大事な幼なじみなの!!」

「優美には聞いてないって。……で、どうなのよ雫?」

 文歌を止めようとして暴れまわる優美を押さえつけて、文歌は再度、俺に聞いて来る。
 俺が優美をどう思っているのか……
 俺が言うべき言葉は……

「幼なじみだよ。ずっと一緒にいる、幼なじみだ」

 こう言えばいい。
 優美がそうだと言うのだ、だったらこれでいい。

「……うん、幼なじみだよね」

 あれ、なんで優美は俯くんだ?
 こう言えば、喜んでくれるんじゃないのか?

「……それ、本心?」

 文歌はまた、俺に聞く。
 文歌は俺にどんな回答をしろと言うんだ。

「ああ、そうだ。な、優美」

「……うん」

 やっぱり、優美は俯いたままだ。
 俺は、何かを間違ったのか?