ユメみる夢みる僕のキセキ

「……あぁ…」

 見た覚えのあるはずの光景なのに驚きで言葉が出ない。
 ……この道の終着点にあったのは唯の一つの大きな泉。
 いや、違う。それは泉に反射して光る、地上の星空だ。
 上も……下も……俺の周りには満点の星が輝いて……
 俺は……違う世界に迷い込んだのだろうか?
 本当にそう思ってしまうようだ。

「ああ、覚えてる……俺は確かに、昔、此処に来たんだ」

 美しいものは忘れないとはよく言う事だ。
 でも、違う……
 俺のは、そう言うのじゃない。
 俺の頭に残っている記憶の欠片、それはこの星空じゃない。

「この場所で……俺は何をしたんだ?」

 昔、幼いころ、母さんと来たこの場所で……
 夜に、ここに来て……
 それで……
 だめだ……どうして、思い出せない?
 此処は思い出の中に強く残っている場所なのに、俺がこの場所で一番印象に残っている事柄を思い出せない。

「……来たんだね、雫」
 
 誰かが、俺を呼んだ?
 そっか、俺は誰かを探してたんだっけ?
 ……すっかり忘れていた。