起きているのは俺だけでは無かったようだ。
「服?」
暖炉の前には脱ぎ捨ててある誰かのパジャマがあった。
けれど、辺りを見回しても誰も居ない。耳を澄ましても、足音一つない。
なら、この寒い中、外に?
「マジかよ……?」
まさかとは思い、玄関に向かったが、四足並んでいた筈の靴が三足しか無くなっていた。
無いのは誰の靴だろう?
暗くてよく見えない。いや、それ以前に、誰がどんな靴なんて覚えて無いから意味が無い。
優実か文歌か母さんか、きっと俺と同じで目が覚めてしまったのだろう。
俺は玄関の扉を開け外に出た。
でも、誰も居ない。
何処に行ったのだろう?
この別荘から伸びてる道は二本。一つは此処に来る時の道、もう一つは山の奥に入る道。ここに来る道を戻ったとは考えずらい、……と、なると……
俺は広間に置いてあったコートをとって、山の奥に伸びている道を進んでみる事にした。

