時間が流れる事を感じるのは何時以来だろう?
 気がつけば冬休みも中盤に差し掛かった頃にふと思った。
 死んだはずの母さんや父さん、そして優実や文歌と出会ってからと言うもの。俺は一日と言う時間 をとても早く感じる。
 この家に来る前は……何をしたって変わらない毎日に絶望して過ごしていた。
 だから時間というものを、短いとも長いとも、何も感じなかった、考えた事もなかった。

「夏休みもあと十日で終わるのか……」

「も~、雫ったらそんな暗い顔しないのっ! あ、わかった! 宿題終わってないんでしょ~!」

「残念ながら、とっくに終わってる」

「えぇ~~!? みーーしーーてーーよ~~!」

「また残念ながら、文歌が先に持って行った」

「そんにゃああああああーーーっ!?」

 今は毎日がとても楽しくて、もっと一日が長ければいいのにと思ってる。
 永遠にこのままでいい……そう思っていた。