ユメみる夢みる僕のキセキ

 俺は心の何処かで両親を憎んでいた。
 幼い俺に武術だけを残し、孤独な人生を歩ませた事を憎んでいたんだ。
 ……そんな所に、死んでしまった母さんと父さんが現れ、俺に微笑みかけて来た時、何処かでそれが爆発した。
 どうして俺を残して死んだ! 俺は一人で生きてきたんだ! 何で今さら現れた!
 そんな感情が吹き出したんだ。
 だから……認めたく無かった。 
 今までの孤独な八年間を否定されたく無かった。
 でも……でも……本当は……

「…うぅ…っ……かあ……さ…ん」

 本当は嬉しかった。
 もう二度と会えないと思っていた、諦めていた母さんは此処に居る。
 その時、如何してか何となく解った。
 どういう訳か、なぜこうなったのかは解らない。
 けど……俺を抱きしめて泣いているこの人が言っている『雫』はきっと俺の事だ……
 この世界は神の悪戯か何かでも……もう構わない。
 ただ、居るんだ。目の前に……ずっと会いたかった人が!

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――っっ、母さんっ――っ!!」

 俺はもう……
 もう一度、母さんに会えた。それだけで……

「な…泣かないでよぉぉぉ雫ぅぅ~~~…母さん…もっと泣いちゃうじゃな~~いっ~~~~!」

「うわああ…無理だぁぁ~…会いたかったよぉぉぉ~~母さん~~ずっと寂しかったぁぁ~~わあああ~~…!」

 ただ、それだけで……幸せだった。