ユメみる夢みる僕のキセキ

「そりゃ、アンタがヘタレな雫だからでしょ?」

 やれやれと、溜息を吐きながら濡れたハンカチを持って、俺にもとにやって来た。

「でもまあ、ちょっとは、カッコよかったわよ、ヘタレ!」

「痛っ……」

 濡れたハンカチを顔に当てられ、傷口にあたった。

「それで、冷やしなさい」

 可愛らしいキャラクターのついたハンカチ。口調には似合わないモノだが、わざわざ濡らしてきてくれたようだ。

「……洗って返す」

 そういって、俺は立ちあがった。

「家に帰るの、雫?」

「……ああ」

 俺の家は何処にあるのだろう?
 いや、初めから、そんなもの無かったのかもしれない。

「ちょっと、待ちなさいよ!!」

「う……」

 歩き出そうとした俺の首筋を文歌が掴んで止めた。

「こんな時間に女の子二人を置いて行くのなんて、あんまりじゃない?」

 文歌は無理やりに俺を立ち止らせたまま、優実を手招きした。

「とりあえず、アンタの家に行きましょう。こんな恰好じゃ、アレだしね」

 そして、そのまま、引っ張られるように俺は優実と文歌と共に、『母さん』がいる家へと戻って行った……