公園の時計は午後十一時丁度。
今、公園に響く音は一人の女の子の鳴き声だけだった。
「うえ~~ん~、雫ぅぅぅ…ごめんねぇ~~~」
泣きじゃくりながら優実は俺にあやまる。
「うるさい……」
体中が痛い。鉄パイプやら何やらでボコボコに殴られたんだ、そりゃそうだろ。
その上、地面に倒れているから背中が冷たい。
いや……
「うえ~~~~~ん、ごめんなさ~~~~いっ!!」
優実の涙が頬にあたって、顔も冷たい。
「謝る必要なんてない。……俺が、勝手にやった事だ」
激痛が走る中、何とか起き上った俺は公園を見渡した。
公園には十数人の不良がボロクソになって、倒れていた。
よく勝てたものだ……
そして、他に目に映ったモノもある。
それを手にとって、俺は口に入れた。
「ひっぐ……や、だめだよ雫っ! そんなの食べたらお腹壊しちゃうよ!」
地面に散乱していたケーキ。泥は払ったけれど、やっぱり、少ししょっぱかった。
「……なあ、どうしてだ?」
「ひっく……雫?」
「なんで、お前も……あの母さんっていう人も、俺に構うんだよ」
俺は優実や『母さん』と言った人に、何もしていない。
こんなにも、優しくしてくれる理由が見当たらなかった。

