この世界は何だ?
やっぱり、意味が解からない……
「いやぁぁぁ、止めてよ!」
それに……
「その女を、放せ!!」
「な、…ぐッ!」
なんで俺は此処に来てしまったのだろう?
「雫!?」
「アンタ!?」
いきなり現れた俺に、優実は一瞬驚いた顔をしたが、すぐさま焦った顔になり始めた。
「に、逃げなきゃ駄目だよ雫っ! わたしは良いから……逃げてよぉ~~」
ビリビリに破かれた制服、ずっと怖くて泣いていたのか顔は涙でグチャグチャ。そんな状態でも優実は必死に俺に逃げろと言ってくる。
自分の事もろくに守れない癖に……何を言っているのだろう?
「痛ってな、おい、テメェ! いったい誰だ? コイツの男か?」
無理やりに優実から引き離した男が俺に聞いてくる。
「さあな……俺が聞きたいよ……」
俺は一体、誰なんだろう?
皆は『雫』って呼ぶけれど、俺は皆を知らない。
「……テメェ、馬鹿にしてんのか?」
優実から引き離した男は、周りにいた仲間に視線を送る。
優実と文歌の前に立った、俺の前には十数人の不良達。
木刀でも持っていれば、解からないが、今の俺じゃあ……
「逃げろ」
俺は後ろに居る優実と文歌に言った。

