ユメみる夢みる僕のキセキ

 掲げた両手で俺を抱きしめ、額から血を流した『母さん』が、泣きながら俺に謝った。
 俺にはそれが何が起こったのか理解できなかった……

「母さん、雫に寂しい思いをさせてたんだねぇぇ~~~…雫が辛かったのに…気が付いてあげられなかったぁぁ~~」

 大泣きする『母さん』の腕は痛い位に力強く俺を抱きしめる。

「何で、どうして、俺を怒らない! 言えよ、「お前なんか要らない」って! アンタだって、額から血を流されるような真似されて、本当は俺が嫌いなんだろ、憎いんだろ!」

「バカな事言わないでぇぇぇ~~~~、母さんが……雫を嫌いになるわけないでしょ~~~、母さんは……雫が大好きなのよぉぉぉ~~~!」

 くそ……何も解ってない癖に!

「俺は―――アンタの息子じゃない! 俺はアンタの知ってる雫じゃないんだッ!」

 ああそうさ、この温もりも、この涙も、この優しい言葉も……
 俺に向けられたモノじゃ無い。
 全て…偽りなんだ。

「離せよ……」

「嫌よ~~~絶対に離さないわぁぁ~~!」

「離せってんだろ!」

 無理やりに、俺は『母さん』の手を放させようとした。
 だけど、がっちりと掴んだ『母さん』の手は、絶対に離れなかった。