「じゃあ、行ってくるね。おじさん、おばさん!」

「はい、行ってらっしゃい」

 朝ごはんを食べ終わり、学校に行く準備をした俺と優実を玄関で見送る両親。
 優実は、朝から、たぶん幼馴染である俺の両親だという人に手を振って笑っている。

「ほら、雫も!」

 そんな優実は俺にも言えと言わんばかりにこっちを見て来た。

「……い、行ってきます」

 そう言った自分が、どこか恥ずかしくて……

「行ってらっしゃい、雫。気を付けてね」

 でも「行ってらっしゃい」と言われるのは、どこか嬉しかった。