夏が終わりを告げ、山はすっかりと秋色に衣替えを済ませた今日、この頃。

「……は……はっくしょん!」

 朝の気温も下がり、あまり布団から出たくない肌寒さを感じさせているのに……

「ん~、むにゃ…むにゃ……にゃん……」

 優美が本当の幼なじみである事を思い出して以来、急に甘え出した優美は俺の部屋に泊まり込むようになり……
 俺の左斜め頭上で、何の夢を見ているのか温かい俺のベットで幸せそうに眠っている幼馴染に今だ寝床を取られていて、冷たく冷え切った床に引いた布団はとても寒かった。

「……まだ、七時じゃねーか…」

 そのおかげで、最近は目覚ましを使わなくても起きられるようなった。
 ……まったく、望んではいないけれど。

「……って、今日、休日かよ!?」

 もっかい寝よう。でも、寒いのは嫌だ。
 俺はこっそりと、優実の横に入り込み、久々の温かいベットの中、俺は二度寝に入った。
 まあ、優実なら怒んないだろう。

 この幻じゃ無い夢を見始めてはや半年以上。
 毎日のように笑いの絶えない日が続いていて……
 それは、何の変わり映えも無く訪れる変わらない日々。
 前は何をしても変わらない日々に絶望していたのに。
 今の俺にとってはこの変わらない日々は愛おしく宝物のような時間になっていた。
 きっと、それは……
 この優しい夢だからだろう。