『……雫……』

 誰かの声? 優実なのか?
 見えない……意識が消えかけ、視界が真っ白だ。
 温かい、誰かが……俺を抱きしめてる?

『あなたはまだ、夢の途中。夢を叶えていない』

 誰……?
 優実じゃ無い。

『夢を見なさい。あなたの大切な人の為に、あなたを思う人の為に……今は眠りなさい』

 ……誰だよ……?
 お……ま…え…?

『さあさあ、思い出して。あなたを変えた……あの日の事。あなたを思っているあの人の事を。今のあなたなら、過去に負けないわ……』

 不思議な声に言われるまま、誰かに抱きしめられた温かい感触の中で……
 また俺は眠ってしまった。