ユメみる夢みる僕のキセキ

「よし、たーんとお食べ! 悲しい時はお腹いっぱい、好きなものを食べるのよ」

 おばさんは優しかった。
 こんなに優しくされたのなんて、父さんと母さんが死んで、優実も居ないこの世界で……初めての事だった。
 おばさんは店の奥からジュースと大きなパフェも俺にサービスしてくれて、ずっと、向えに座って俺に微笑んでいた。

「ありがとう、おばさん」

 ……あと、ごめんなさい。

「良いのよ。雫ちゃんが元気になってくれたらおばちゃんも元気よ!」

 オムライスを手べ終わって、おばさんが持ってきてくれていたパフェを食べて……俺はおばさんにお礼を言った。
 それと同時に、決めた。
 やっぱり、この世界は嫌だ……
 
「ごちそうさま。美味しかったよおばさん!」

 最後に、俺の事を覚えてくれてる人に出会ってよかった。
 この世界で、唯一優しくしてくれて……ありがとう、おばさん。

「もう、行くの……雫ちゃん?」

「うん。ありがとう、おばさん……」

「そう、また来るのよ」

 ……ごめん。もう、来れないよ……

「……うん」

 でも、おばさんの笑顔を見ると、そんな事、言えなかった。
 そして、嘘の笑顔をおばさんに向け、俺は席を立った。
 母さんと父さんが居る場所に、行く為に……