なあ、神様。それとも運命か……
 お前らがもし本当に有るというのなら、一体……俺に何をしろって言うんだよ?
 父さんと母さんを俺の前から消して、俺を一人にして……
 孤独の中で必死にやってた俺に、儚い夢なんて見せて……
 俺がお前になんかしたのかよ?
 そんなに俺が憎いのか? 

 だったら……いっそヒト思いに全部壊してくれよ!!

「はは……家もねーや」

 昨日まで住んでいた、何時も優実が隣で俺のベットを占領して、朝から騒がしい一日を感じさせてくれた俺の家は……
 木や草が無造作に生え散らかった、誰も住んでいない空き家になっていた。
 此処に来れば、優実の笑い声が聞こえて……
 母さんが「おかえり雫」って言ってくれて……温かいご飯を作ってくれて、「夢でも見てたのぉ~?」って笑ってくれると……
 思ってたのに……
 本当に、夢だったんだな……

「ははは、そっか、夢か……」

 そっか、そうだよな……
 なんだ、簡単な事じゃないか。