なんだよ、何だよこれ!?
 夢叶え神社……文歌の実家……
 違う!? 此処は……

「雫? ……どうしたの…?」

 俺は……夢でも……見ているのか……?

「なあ、優実……此処は…何処だよ……」

「え、何言ってるのっ? 夢叶え神社だよっ!」

 ………違う。
 違う……ここを俺は知っている!?

「……うっ…!?」

 急に意識が遠ざかって、辺りが真っ白に染まっていく。

「し、雫っ!? い、いやぁぁぁ、雫ーーーっ!?」

 近くで優実が叫んでいる?
 でも、真っ白で……もう、何も見えない……

「雫っ! おねがいだよぉ~~~……しっかりしてよぉ~~!!」

 泣いているのか……優実……?
 でも駄目だ、もう意識が保て……ない。
 この場所だけは二度と来たくなかった……
 ここは、俺の夢に出てくる……
 夢ですら見たくない、現実の記憶で……
 母さんと父さんの……

 ――葬式の場所なんだ!!
 俺が、1人になった場所なんだよ!!

 そして……優実の叫ぶ声も、聞こえなくなった……