「もうっ、隠さなくてもいいのにっ~。補習がんばろうねっ、雫!! ね、文歌ちゃんもっ!!」

 文歌は俺の解答を見たまま固まって一言も喋らない。

「あれ、どうしたの文歌ちゃん? 雫のテスト、そんなに酷かったの?」

 文歌が持っている俺のテストを今度は優実がのぞき込む……
 
「え~~っと、雫の点数は………国語が…91点? あれ…数学…98点……科学……92…………―――――――――――――うぅ…うえ~~~~んっ―――雫が悪い子になっちゃったよぉ~~~~!」

「何でだ!?」

 俺の解答、国語91点、数学98点、化学92点、社会89点、英語99点。こんなもの、夏休み前までの復習の範囲。
 出来て当然である。