優美と幼なじみの関係を止めて、三か月近くが経った……
 それでも、優美はずっと俺の側に居てくれる。
 今までのように、俺に優しくしてくれる。
 俺はそんな優美をどう見ているのだろう?
 偽りの幼なじみを止めてから、俺は優美の事を……なにか、友達とは別の感情で見るようになったのかもしれない……


 夏休みが終わると同時に、すっかりと山の色が変わり、秋の訪れを感じさせる今日この頃……

「………文歌ちゃん…どうだった……」
「……だめ……もうだめよ……」

 学校が始まってはや二週間。教室では俺の隣の席と更にその隣の席の住人から、絶望を感じさせる空気が止めどなく垂れ流されていた。

「うえ~~~ん、ど~~しよぉ~~!! このままじゃ間違いなく赤点だよぉ~!」

「だ、大丈夫よ! 勉強なんて出来なくったて……大体、数学とか社会とか化学とか将来なんの役にもたたないじゃない。……まったく、何考えてるのかしらこの国は!」

「そ、そうだよねっ! こんな数式とか絶対使わないもんねっ!!」

 勉強出来ない奴がよく言う会話で、優実と文歌がお互いを慰め合う声が聞こえる。
 夏休みが明けると、大抵何処の高校でも行われる恒例行事。
 ……夏休みの間、宿題ですら俺のをまる写しした二人が勉強をしている様子など見た覚えがない。
 そんな二人に当たり前に予想道理、自業自得の結果が返って来て……この状況だ。