「何やってんの?
 早く帰りなよ」

「道重くんこそ…」


ちょっとびっくりして
ドギマギしてしまう。


「オレは部活だっつの。
 下校時刻だよ。
 カギ閉めるから」

「あ…そっか。
 でもなんで道重くんが?」

「さっき部室のカギ
 職員室に返しに行ったら
 先生に頼まれてっ」


パシリにされたからか
ちょっとふてくされた口調。

そこがちょっと
カワイイなって思っちゃった。


「はい、出て出てっ」

「わぁぁ」


せかされて図書室を出る。

カギかけてから
くるりと方向転換。

さっさと歩きだす道重くん。

で、

はたと立ち止まる。


「えっ、何??」


少し後ろを歩いてた私を
振り返って戻ってくる。

ずんずん迫ってくる
道重くんにテンパる。