お兄ちゃんは、高志さんを助けようとした…。 そうだったんだ…。 「なあ、里桜ちゃん。オレたちは、一馬が死んですぐに引退した」 呆然としている私の肩を、シンさんは優しく叩く。 「頭が混乱していて、現実を受け止めたくなくて、真実を聞く余裕がなかったんだ」