週末はあたしにとって一番辛い・・・
土日は、啓介に会えないから・・・
土日は一体何をしているの・・・?
気になって仕方ない。
金曜日。
あたしは啓介の愛情に溺れた。
啓介の吐息、熱、指先・・・全ての感覚を記憶する・・・
これで、土日は乗り越えられる・・・
「シャワー入ってくるわ」
啓介がそう言ってベッドルームを出る。
「うん、あとでタオル置いとくね」
そう言ってあたしはリビングに向かった。
リビングで冷えたコーヒーを一口飲んだ時、かすかに聞こえたバイブ音にピクっと反応した。
・・啓介のジャケットから聞こえるバイブ音。
時計を見ると時間は10時を回ったところ。
会社からではない・・・
となると・・・奥さん・・・・?
ガス給湯器のランプを見ると、使用中であることがわかる。
・・啓介はまだシャワーから出てこないだろう・・・
あたしは、意を決してジャケットから携帯を取り出した。
携帯を持つ手が冷たく汗ばむ・・・指も震える・・・
携帯を開いてみると、【のぞみ】の文字。
どうやら電話ではなく、メールのようだ。
ダメだ・・・ダメ・・・絶対ダメ・・・
そう思いながらも、受信メールを開いてしまった。
【今日も帰り遅いですか】
その一文を見て驚いた。
あまりにも無機質で、事務的な文章だったから。
あたしはそのメールを削除して携帯を閉じ、そのままジャケットに戻った。
なんだろ・・・
なんだか・・・わかんないけど・・・優越感に似た感情があたしを支配しだす。
奥さんは・・・啓介に愛されてない??
奥さんは啓介を愛していない??