お弁当の蓋を開けると すごい美味しそうなおかず達が目に飛び込んできた。 「わーっ!すごーい!おいしそ…うげっ!」 「ん?」 「にんじん…」 「にんじん?」 中に桜型に切り抜かれて茹でてあるにんじんが入っていた。 「にんじん嫌い!」 「美味しいよ?にんじん」 「やだ!」 「食べなよ」 「や!嫌い!」 あたしが駄々こねてにんじんの刺さったフォークを突き出すと、秀くんは 「そっかぁ」と口を尖らせて、ぱくんと食べてしまった。