「咲、ゴメン!」
琉は顔の前で手を合わせる。
「嫌よ。あたしを待たせるってどうゆうこと!?」
いつもみたいに琉が家に迎えにくると思って待ってたのに。
10分待っても、15分待っても来ないからあたしは琉の家まで迎えにきた。
「ゴメンって。」
「琉があたしを迎えに来て学校行くって約束じゃない。」
謝る琉をおいて先に学校に向かう。
「さーきっ。」
そんな可愛く名前呼んでも許してあげないんだから。
「…ケーキ。」
「ん?」
「帰りにケーキ買ってくれたら、許してあげる」
「いくつでも買ってあげる!」
行こっか。そう言ってあたしの手を握る。
少し照れたようにあたしの手を握っている、琉
何度手を繋いでも慣れない。
琉と繋ぐのは。
…琉と出会ったのは一年前
中学に入学して同じクラスになって。
入学して少しぐらいたってから話すようになった。
告白してきたのも琉から。
体育祭のリレーで一位になったらお願い聞いて
って言われて。
見事一位になった琉が言ったお願いは
「俺と、付き合って。」
顔を真っ赤にして、それでもあたしの目を真っ直ぐ見ていう琉がかっこよくて。
しかも、前から気になってたから嬉しくて泣きながら
「うんっ!」
って言ったのを覚えてる。
あれからもうすぐ1年
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