「それもそうだし……」


「オレ、本当は彼女いないよ」

じゃあなんだ。

雅氷はあたしに嘘を吐いていたってこと?



「彼女いなくたってダメ!!ほら、どいてよ」


「無理」


雅氷はあたしにグッと顔を近付けて首筋に吸いつくようなキスを落とした


「ぁっ……ちょっとやめて。雅氷……」


そういうと雅氷はイジワルな顔をあたしに向けて言った



「オレから逃げようと思えば逃げられるのに、逃げないのはすみれだよ」


はっとした