時間は深夜2時を回った。

彼氏との長い電話を切り、彼女はようやく眠りにつく。
彼氏がやけに興奮をし、まくし立てるように何か言っていたが、他愛のない事だと思いとっとと夢路に付こうとする。彼女は愛のある話に溺れていたわけでもなく、痴話ケンカに白熱していたわけでもなく、ただあり続けるだけの時間を、いかに効率よく消費するかに必死だった。ただ眠るだけじゃ何の心も満たせずにいる、若さゆえの世間知らずな感情が彼女を退屈へと押しやっていた。
なかなか眠れないのはいつもの事だけど、まだそんなに疲れないでいる。