―――(泣かないのか?) 声が、聞こえる。 彼の、声が。 あたしはそっと目を閉じる。 視界は、真っ暗。 おそらく幻聴であるソレに、集中する。 「泣かないよ。決めたんだ。」 ―――(俺は、お前に泣いてほしくない。) 「でしょう?」 泣いたって 彼は喜ばないから。 ―――(だけど…)