一瞬、 一瞬だけ 瞼の裏に見えた彼の姿を 目に焼き付けて。 「幻聴じゃ……なかったね。」 彼の声を 記憶で反復する。 「だって……見たこともない笑顔だったもの。」 《サヨナラを、しよう。》 そうだね サヨナラしようか。 また会うために その時は 嬉し涙を流そう。