「それに髪が痛むってのが、
 いまいちよく解らないんですが」

特に染髪前の手触りとか気にした事無いし
比べる物が無いから、今の状態が不明だ。
それに、

「君と比べてしまったら、俺なんて……
 いや比較する事自体がおこがましいね!
 ごめんね、アンナ!もう考えないよ!」

「人毛と犬の毛を比べる事が
 まず間違ってますからね?」

「だって俺、人の髪とか触らないですもん
 アンナ以外に比べる対象が……あ、
 また比べてしまった!どうしてだ!
 ……ああ、そうだね、
 君はいつも俺の心の約8割を
 占拠しているから、しょうがないよね」

俺が悟っていると、
島津さんは何か納得がいかないという
そんな感じの表情を浮かべていた。

「……俺の髪触りまくりじゃないですか」

そういえばそうだった!
ここ最近、彼の髪を触り放題していた。

「別に俺、島津さんが人外とかそういう
 変な事思ってる訳じゃ無いですからね!
 島津さんの髪もまた別格ですから!
 規格外なんですよ!俺的に!」

だから変な勘違いはしないでくださいね!
俺はそう、必死になって訴えた。