「……クスクス」 口に手を当てて、小さく笑いを漏らす瑠夏が目に入る。 笑うなんて…失礼なっ! 「……な、何よ」 「いや、素直なお嬢様も可愛らしいなと思いまして」 か、可愛いっ!!!? 聞きなれない言葉に、過敏に反応する身体。 「……ふ~ん」 照れくさくなったあたしは、瑠夏に背を向ける形に姿勢を変えて、静かに目を閉じる。 静まる部屋とは反対に、 心臓の音は、バクバクと大きくなる一方。 このままじゃ、寝るにも寝れないわ。