身体中が心臓になっちゃったみたいに、バクバクと五月蝿い。 「……な、何勝手に入ってるのよ…!!」 「いいじゃないですか。たまには」 メガネのふちを、くいっと人差し指で持ち上げて満面な笑みを浮かべる。 冷たく、意地悪な目。 その瞳の奥には、妖艶な光が漂ってる。 吸い込む空気は彼の匂いでいっぱいで…… 頭がおかしくなってしまいそう。 「ねぇ、もう……殺して」 「何故です?」 「瑠夏が近くにいると…苦しいからよ」