そう思いながらも安静に、甲高い音を待つ。 しーんと耳が痛くなるくらいに静かな部屋。 ピピピピッ 測り終わったらしい体温計は、声を上げて知らせる。 ゆっくりと脇から離して、虎太郎に体温計を渡した。 どーせ、熱なんてないだろうし… ひとつ欠伸をして、布団の中に潜り込む。 頭痛なんて寝れば治るだろう。 それとも、寝すぎなのかな? 「お嬢様……」 いつもより1オクターブ低い、声色に顔を上げる。 怒ってるような声の低さ。 虎太郎らしくない。 「何? 熱でもあった?」