「君はおかずを適当に作ってくれ。僕は飯を炊くから」

鴻上は飯ごうを取り出し、手際よく米をといで、まきをくべた。
紀伊は簡単な調査を終えて鴻上たちの元へ戻ってきた。

「おかずは?」
「カレーにしようかと…」

紀伊は鼻を「ふん」と鳴らすと、自分のかばんからパンを取り出してそれをおもむろにほおばる。

「――僕は、肉がだめなんだ」

そう言ってふてくされて食べる。

――だったら最初に言えよ。
鴻上は思った。