「赤田ぁあ」
銃口を赤田に向け突き上げる。
「手配写真でしかお前のことを見たことないが、一日たりとも忘れたことはなかったよ」
「……ふ、ふ。俺はお前なんて、知ぃぃらない」
目の前についに現れた赤田を鴻上はじっと睨んだ。あゆみは驚いてその足を止めた。
あれはもはや、赤田であって赤田でないもの。
「神は、細部に宿るという。俺はこのかすかな温もりの記憶を神としてみているのかもしれない」
その言葉の身勝手は、もはやこの世ではないどこかのもののように伺えた。